ここでは2005年9月29日から全国一斉発売となったムーヴの10周年特別仕様車ム-ヴVSについてご紹介しています。納車・撮影時期が冬季だったためタイヤがスタッドレス+13インチ鉄っちんホイールの写真がほとんどですがご容赦くださいませ。
MOVE VS 4WD: 2006/03/05
ムーヴシリーズのエンジンは、3気筒ターボと3気筒 DOHC (NA) の2種類。残念ながらVSは3気筒 DOHC の 58ps エンジン+ 4AT のみとなります。早速、試乗した感想を紹介することにしましょう。まずは、エンジンスタート時の音ですが、正直言って今までのムーヴと特に変わらない感じで、セルスターターの音が大きいのはダイハツのデフォルトみたいなので仕方ないとして、ツレの乗っているマイナーチェンジ前のムーヴと比較して振動はずいぶん抑えられているようです。以前の標準系ムーヴにはボンネット裏のインシュレータもなかったのですが、現在は全車装着されているようです。ま、最後のてこ入れですから大盤振る舞いですね(笑)。
VSのタイヤサイズは 155/65R14 で、ダークシルバーのアルミホイールが標準装着されます。VSでは若干太いタイヤに対応するため、前後のトレッドもカスタム系と同じになります。冬に購入となりましたので納車時点ですでにスタッドレスに換装されていましたから、写真はおそらく搬送までの数百メートルしか使っていない標準装着のタイヤです。タイヤは YOKOHAMA ASPEC A349 で、標準装着としては極々一般的なタイヤのようです。燃費と静粛性がそこそこですが、コーナーにはあまり強くないそうです。トールワゴンで使う場合は偏磨耗に要注意な感じですね。先日、ディーラさんに立ち寄ったときに2台ほどVSがおいてありましたが、一台にはブリヂストンの B390 がついていました。ま、どっちも変わり映えしないタイプのものですが、ファミリー向けなのでごつごつしているよりは多少でも静粛性の高いほうがいいのでしょう。
発進・市街地走行: 走り出しはそれなりの重量がありますので軽快とは言いづらいですが、最大トルクを発生する 3800rpm 前後をうまく使ってあげるとそれなりに活発に走り出せます。私もそうだったのですが、普通車のようにトルクに頼って低回転から静かに加速しようと考えると肩透かしを食らいます。パワーバンドが短い分、パワーバンドをうまく活用しないといけないようですね。ちなみにVSは標準系のベースグレードとはいえ 4WD では総重量が 870kg にもなります。FFの NA (820kg) でも2速の 3000rpm あたりに若干もたつく感じがあるのですが、このあたりがいっそう際立っています。それでも同等グレードで比較すればタントの 920kg やゼストの 940kg よりは遥かに軽いんですけどね。このもたつく回転域をうまくかわせるようなアクセルワークを身に着けることが昨今の重量級軽自動車を活発に走らせるコツだと思われます。
静粛性: 走行中は静粛性が非常に高く、高回転までまわしても DOHC 特有のシャカシャカしたメカニカルノイズもなく、どちらかというと”もこもこ”した音が聞こえる感じです。これはインシュレータの効果なんですかね。また、振動も少なくシフトがあがるにつれて快適性が増してきます。窓を開けていてもそれほどうるさいとは感じないところはさすがです。国道などの流れの速い一般道なら、一度流れに乗ってしまえば特に問題なく走れます。ただ、標準装備のタイヤはあくまでそこそこの静粛性ですので、どうしても気になる方は静粛性の高いタイヤへの履き替えをお勧めします。恐らくまったく違う車に乗ったような感じになるでしょう。
足回り: 足回りといえば、サスペンションはファミリー向けだからか、それなりにやわらかく静粛性に優れた乗り心地重視のものですが、ややもの足りなさを感じます。踏ん張りが利かないわけではないのですが、背が高くロールが強いボディ形状なので、ストロークの差し掛かりにもう少ししっかり感を持たせるともっとよくなりますね。ボディの剛性が高くなっている分、かえって目立っている気がします。もっともすっ飛ばしてコーナーを攻めるぜい!みたいな車ではありませんし、これで十分という気がしなくもないですけどね。
高速・長距離走行: 初めての高速道路走行は、柏崎から仙台間の片道およそ 400km 程度。実はなにを隠そう NA 軽自動車で高速道路に乗ったことがありませんでしたので、かなり不安だったんですけれども、実際に走って見ますと特にぶっ飛ばすわけでもなければ問題なく走行できました。平地や若干の登り勾配程度ならぬわわkm/hからトップのまま再加速できるようですし、登坂車線のあるような急な登り坂でも前にモタモタ君がいなければトップのままのぼりきったりできるようです。平地でもうっかりアクセルを踏みすぎるとぬうわkm/hのメーターを振り切ってしまいますので気をつけなくてはいけませんね。さすがにモタモタ君が前を走っている急勾配では、パワーバンドの短い軽自動車のエンジンでは3・4速を行ったり来たりして鬱陶しい感じですけれども、3速固定してしまえば気になりません。アクセルワークについては、ATが電子制御ではありませんので、それなりに細かく人力制御して“いいとこ取り”してあげないといけないようですけれども、重い車重に加えて、乗員も痩せ型とはいえ大人の男性2名と荷物を乗せながら無難に 800km をこなせましたので、 NA の軽自動車もなかなか侮れません。静粛性につきましては、多少覚悟をしていったんですけれども、平地で 100km/h (約 4000rpm) 程度で走っているときは結構静かで、会話も普通にできました。でも 90km で走行しているときに“もぉ~~”っていうへんてこな音がちょっぴり耳障りでしたね。室内の広さにつきましては必要にして十分。大人が二人が並んでも肩・肘が触れ合うようなことはありませんし、アームレストも十分な幅があります。ただし、荷室スペースが小さいので荷物が多いときは後席や後席フロアを荷台にしますから長距離なら2人までが基本ですね。ムーヴはシートが大きめで足元スペースも十二分にありますから長距離でも意外と疲労感はありません。今回はそこまでの必要はありませんでしたけれども、前後席を倒してフルフラットにして足も伸ばせますからパーキングで仮眠を取るくらいの長距離でもなんとかなりそうです。
燃費: 気になる燃費ですけれども、高速・長距離での実測ですが、行きは比較的平地の多い北陸自動車道が主体でしたのでだいたい 15.8km/l 、帰りは山道主体の東北道・磐越道でしたので 14.8km/l でした。まあ、概ねリッター15くらいと考えるのが妥当なセンでしょうね。 4WD ですから実燃費でこの程度ならまあ及第点をあげられるんじゃないでしょうか。市街地走行では、だいたい 12 ~ 13km 程度になります。こぼれ話ですが、1ヶ月点検時のエアコンベルトの調整不良によりまして、高回転時に“ポゲッ”という音がしていたんですけど、そのときの燃費はリッター10kmくらいに落ち込んでいました。この件についてはディーラーへ持ち込み無償修理してもらいましたが、その後は前述の燃費になりました。エアコンベルトは思ったより侮れないようです。
さて、ムーヴVSはいかがでしたでしょうか。一昔前の軽自動車からの進歩っぷりはすさまじく、いつの間にか十分にファーストカーとして使える実力を身につけていますね。これであとほんの少し力があれば…というのはヤボでしょうか(笑)。
今回ご紹介したムーヴVS、これまでのパイザーやアトレー、ツレのムーヴ、ツレの妹のムーヴ・ラテなど、これまでダイハツ車を立て続けに5台ほど購入させていただきましたけれども、すべてダイハツ柏崎の中西さんという営業さんからの購入です。ちょっととぼけた感じがありますけれども、とっても良い営業さんです。寺田さんのウェブを見て来ましたと言っていただきますと、ちょVIP待遇でお迎えしていただけると思います。ご近所にお住まいのみなさまは、ぜひお気軽にお立ち寄りくださいませ。
ダイハツ ムーヴ VS 4WD
型式 CBA-L160S
全長×全幅×全高 3395×1475×1630mm
ホイールベース 2390mm
トレッド前/後 1300/1265mm
室内長×室内幅×室内高 1920×1310×1310mm
車両重量 870kg
エンジン型式 EF-VE型
最高出力 58ps(43kW)/7600rpm
最大トルク 6.5kg・m(64N・m)/4000rpm
種類 水冷直列3気筒DOHC12バルブ
総排気量 659cc
燃料供給装置 EFI(電子制御式燃料噴射装置)
燃料タンク容量 34リットル
ステアリング形式 パワーアシスト付きラック&ピニオン
サスペンション形式(前) マクファーソン・ストラット式コイルスプリング
サスペンション形式(後) 3リンク式コイルスプリング
ブレーキ形式(前) ディスク
ブレーキ形式(後) ドラム(リーディングトレーディング)
タイヤサイズ(前) 155/65R14 75S
タイヤサイズ(後) 155/65R14 75S
最小回転半径 4.4m
駆動方式 フルタイム4WD
トランスミッション 4AT
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