狭いながらも楽しい我が家ですが、建物はとぉ〜っても古くて、既に築30年を越え、日ごろから暴風と潮にあおられてトタン屋根や外壁のサイディングは見るも無残なほどぼろぼろです。たまたま近くを歩いていたリフォーム業者さんなら必ず立寄りたくなってしまうと言うたたずまい。というわけで、家の建て替えを計画したのがかれこれ3年ほど前の1998年。ハウジングメーカさん数社と簡単な打ち合わせをした結果、とりあえず某ハウジングメーカさんで家を建ててもらう事にして、プランもだいたい固まっていたのですが、残念ながら仮住い先が見つからないなど諸処の問題がありまして断念。
時は少々流れまして、かつて打ち合わせをした数社の中のHOMEXさんがたまたま近所にきたらしく、家が建てかわっていなかったせいか、立寄ってくれました。そこで、前回の計画は断念したことを伝えると、再びプランを考えてくれるとの事。それが丁度2000年秋のあたりです。
かくして、先ほども申しました通り、うちは海がとても近く、冬になると30mくらいの暴風とテレビのアンテナが3年くらいで錆びてボロボロになるほどの塩害のひどい地域に住んでいますので、大きな条件としては外まわりはちょっと贅沢に。当然このページの主題であるLANの敷設を考慮して概ねプランができあがったのが2001年5月末、完成は、2001年10月末のことでした。
というわけで、LAN敷設に伴いまして、いろいろご協力をいただいたHOMEXさんに、ありがとリンクをはっておきます。
http://www.homex.co.jp/
結果論になりますが、大まかな段取りは以下のようになりました。
1.概算見積りとプラン作成
2.詳細打ち合わせ
3.建築工事
おおまかすぎるぜぇ〜!ってツッコミはおいといて、あたりまえっちゃ〜あたりまえですけど、この程度の段取りを念頭に入れておかないと、いろいろへんてこりんなことになっちゃいます。後述しますけど、打ち合わせは重要ですよ。
見積り依頼の時点で確実に営業さんに「情報化住宅にするよ!」なんて大げさなものではなくても、せめてLAN配線を実施することを伝えておきましょう。ただし、営業さんは必ずしも電気設備のプロではありませんし、ましてLANに詳しい営業さんもほとんどいないことを前提としないといけませんので、場合によってはこの時点で直接電設業者さんに同席してもらったほうが良いかもしれません。まあ、電灯・電話線とテレビ配線くらいしかしたことの無い電設業者さんも多いと思いますので、同席してもらっても理解していただくのは大変難しいですけれども、相手もプロですから、概要がわかれば、後は話も早いというもの。で、ハウジングメーカーさんの営業さんだけですと、イメージがはっきりしないので「たいした金額にはならないよねぇ〜」なんて軽く考えているかもしれません。まあ、家の建築費から考えると、微々たる金額なんですけど、お金にかかわることですから、しっかりと考慮していただいて、しっかりした見積もりが欲しいところですね。
通常、注文住宅でも、結局いくつかの間取りなどのレイアウトプランがあり、それらをベースに話を進めていくことになろうかとおもいます。もちろん、自分たちの家ですから、自分たちでレイアウトを出して営業さんに渡して図面化してもらうこともあるでしょう。その際に、確実にLANを意識して話を進める必要があります。何故なら、LAN配線やケーブルの長さ、コンセント類の配置や個数などで微妙に見積もり価格が変わってしまうからです。で、ある程度のレイアウトプランが決まりましたら、次の資料作成に取り掛かります。
というわけで、大まかなレイアウトの概要が決まったのと同時に、こちらでどの様にLANを敷設してもらいたいのか、ある程度資料を作って渡しました。うちの場合は、スイッチングハブを中心に、各部屋に1つずつ情報コンセントを計4つ設けてあります。その間をエンハンスドカテゴリー5のケーブルでつなぎました。和室は、おそらく使わないだろうという思い込みのためつけていません。まあ、どうしても必要になったらリビングに無線LANのアクセスポイントでも導入すれば済む話ですからね。
☆LAN配線図1☆
☆LAN配線図2☆
※当然のことながら、諸事情により実際の間取りとは異なります。(^^;
今回は、既に手持ちのスイッチングハブとダイヤルアップルータなどがありますので、施工してもらうのは分電盤とケーブル配線、及び各部屋の情報コンセントの取り付けまでです。あとは、各部屋の情報コンセントからそれぞれ自由にパソコンやスイッチングハブ、無線LANのアクセスポイントなど何でも取り付けられます。手持ちの機材は、必ず電設業者さんに伝えましょう。うちとこでは、工事の途中で電設業者の方にスイッチングハブ渡して取り付けていただきました。
ケーブルの種類は、今後1000BASE-Tの普及を考慮して、エンハンスドカテゴリー5を採用し、結線方式をT568Aのストレート結線で統一しています。なお、この時点では、電設業者さんとの打ち合わせが完了していないため、ケーブルを単線にするかより線にするか決定していません。情報分電盤に出すケーブルを情報コンセントにするかRJ-45コネクタを出すかによってケーブルを頻繁に抜差しするなどの耐久性が予測できていなかったためです。情報コンセントを利用する場合は、品質は高いが曲げには弱い単線、直出しの場合はより線を使います。私としては、それほどのこだわりもありませんでしたので、業者さんにおまかせいたしました。結果は、極々普通のより線で、RJ-45出しです。
1階のリビングと2階の主寝室に電話用のモジュラジャックとLANと併設しています。本来メインとなるのはリビング側にあるモジュラジャックとなります。ADSLなどノイズを嫌う通信を利用する場合には、多少マイナス面となる可能性を否定できませんが、2階の主寝室にもモジュラジャックを準備したのは、これから始まる住宅ローンで超貧乏になったときに、主寝室のパソコンに直接モデムを挿してLANを止めても通信ができるようにするためです。スイッチングハブは通信をしていないときは大して電気を消費しませんが、それでもやはり気になります。また、ルータなどを使っている場合でも、ルータと56Kモデムの2つの機器を稼動させる必要があるため、手元で電源を操作できたほうが便利ですよね。逆に、みんなで使うようになったら、誰でも自由に行き来できるリビングのほうが、電源を操作しやすいですね。というわけで、親子電話ではありませんが、2ヶ所モジュラジャックを用意しました。
ADSLモデムはアースを繋ぐとスループットが上がるということを聞きまして、リビングには、アース端子つきのコンセントを準備しました。ADSLモデムに限らず、通信機器の場合は、アースをしっかり取り付けたほうが良いとは聞いていましたが、さすがに家中のコンセントにつけるのもアレですので、こちらからお願いしたのは、とりあえずリビングのコンセントのみ。あとは、冷蔵庫や洗濯機、エアコンなどの各所には、電設業者さんのほうでちゃんとつけていただいておりました。
階段室の空きスペースに情報分電盤を設置します。既成の情報分電盤を用いるか、適当に壁に穴をあけてカスタムメイドしてもらうか悩みましたが、このあたりも電設業者さんにおまかせいたしまして、最終的には極々普通の小さ目の分電盤を使うことになりました。既成の情報分電盤は汎用性にかけますし、ちょっと高いので、多少見た目に問題はあるものの、まあ妥当な選択かなぁ〜と思っています。せめて、壁と同じクロスでも貼っておけばよかったかなぁ〜と出来上がってからちょっぴり思いましたけどね。(^^;
CD管は、ケーブルを配線するときに取り付ける保護カバーのようなもので、材質は水道管を保護するさや管としても使われているものと同じです。ケーブルの保護以上に大事な役割は、ケーブルの取り替えやすさになるかと思います。たとえば、EthernetやLANケーブルの規格などは、日進月歩で変わります。今回は、一応余裕を見て1000BASE-Tまで対応できるようにエンハンスドカテゴリー5を選択していますが、次々高速化された新しい仕様が生まれてきますので、その他のケーブル類と比較して交換する頻度の高いものといえます。CD管の中にケーブルを通しておきますと、ケーブルはフリーの状態でCD管の中に収められていますから、いつでも抜き差しすることができます。新しい規格のケーブルが必要になりましたら、古いケーブルの一方に新しいケーブルを結び付けて、反対側から引き出せば、すぐにケーブルの入れ替えができるようになりますので、いちいち電設業者さんに依頼しなくても、自分でケーブルの交換ができるようになります。
こちらからの要望などを一通り伝えますと、家の間取り図やら電気配線図など、実際の施工時に使う各種図面が出来上がってきます。もちろん、LANや電話線、テレビなどすべての電気配線などが書かれていますから、しっかりと目を凝らして眺めて見ましょう。ええ、私はここでも過ちを犯しましたさ。へへへ。で、このあたりまで来ますと、しっかりとした見積もりも作れるようになりますので、営業さんにお願いしてもらっておきましょう。
実は、今回の自宅建築にあたって、基礎のころから少しずつ写真を撮っておりました。CD管あたりは、完成してしまうとフェイスプレートくらいしか見ることができませんので、かなり丹念に写真を撮ってきたつもりなんですけど、今にして思えば、ああ、あれも撮っておけばとか、これも撮っておけばよかったとか色々思い浮かんでしまいますねぇ〜。とまあ、いまさらぼやいても仕方ありませんので、持っている写真を集めまして、ここでちょっぴり公開します。よかったら見てください。
CD管(オレンジ色の管です) | |
分電盤取付け予定付近 | 1Fからの立ち上がり |
リビング | 天井裏です。 |
情報コンセント | |
壁の中はこんな感じ | 内壁をつけて |
出来上がり | でぇ〜くの背中(はぁ〜と) |
情報分電盤 | |
情報分電盤 | 中身はこんなの |
裏から見る | 保安器からっぽ |
おまけ |
お買い物: 無線ルータ 有線ルータ ハブ NIC ケーブル・コネクタ モデム
実は、2点ほど失敗した点がありました。1点は、営業さんとプランを考えている段階で電設業者さんとの打ち合わせをお願いしていたのですが、結局直接お話する機会がもてないうちに、いつのまにか建築が始まりまして、まあ、電気配線するまでには打ち合わせの機会を作ってくれるだろうなんてのんびり構えていましたら、知らないうちにCD管をつけない標準工事で電線の取り付け施工されてしまいました。たまたま建築現場を見に行ったときに気が付きまして、急遽営業さんに連絡、とりあえずLANのみということでCD管を取り付けてもらいました。これまでの経緯を営業さんにお話しまして、金額についてはほぼ当初見積もりのままということで承諾していただきました。もう1点は、アースの位置と言いますか、電話の引き込み位置なんですけど、最初リビングに引き込むのかなぁ〜と思っていましたら、気が付いたら2階の主寝室から引き込まれていました。ということで、主寝室にもアースをつけなくてはいけなかったのですが、ときすでに遅しで、内外壁取り付け終了後でしたので、まあ、工期を遅らせるものアレですので断念。もう少し電気配線図をしっかりと眺めておけばよかったと反省しきり。2点あわせて、事前の電設業者さんとの打ち合わせは、しっかりしておけばよかったかなぁ〜と言ったところです。
で、実際の利用についてですが、まずは56Kモデムの期間がしばらく続きます。電話料金がiプラン3000で、3000円分を越えると従量制ということで、ルータとモデムは当初予定していたリビングではなく、主寝室に設置しました。このときの大きな特徴は、なんと言っても手元でルータとモデムの電源が制御できるところ。とりあえずインターネットの利用者が私だけなので、パソコンと同時にルータとモデムの電源をいれて、パソコン終了とともに電源を落とします。基本的には、私が使っているとき以外は、私以外の人も使えないという、考えかたによっては非常に不便な利用方法を採っていました。が、まだもう一台のパソコンをセットアップしていないので、ルータもいらないのでは?という説が。(^^;
何はともあれ、スイッチングハブもしばらくは使いませんので、電源も入れない状態です。というわけで、まだネットワークと言うには程遠い状態ですが、省電力と電話代を考えると、しばらくはこのままの感じですね。